シンポジウム
ALPS処理水の海洋放出と水産物輸出を巡る現状と課題

シンポジウム

標記シンポジウムを下記の通り開催いたしました。

主催 (一財)東京水産振興会
共催 (公財)水産物安定供給推進機構、全国水産加工業協同組合連合会、(公社)日本水産資源保護協会
日時 2025年11月25日 13時30分〜16時00分
会場 豊海センタービル2階会議室(東京都中央区豊海町5-1)及び、オンライン(zoom)
開催案内 開催案内

プログラム

   司会   長谷成人(東京水産振興会理事/海洋水産技術協議会議長)
 1.開会挨拶 渥美雅也(東京水産振興会会長)
 2.講演
  (1)ALPS処理水の海洋放出が水産業に及ぼした経済的インパクトおよび本シンポジウムのねらいについて
        濱田 武士 氏(北海学園大学経済学部 教授) 
  (2)水産施策によるセーフティネットとALPS処理水の海洋放出
        坂井 眞樹 氏((公財)水産物安定供給推進機構 参与)
  (3)水産加工業者等のALPS損害賠償請求の動向と課題
        加藤 聡一郎 氏(つかさ綜合法律事務所 パートナー弁護士)
 3.意見交換

開催趣旨

 東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を受け、中国をはじめ複数の国・地域が日本産水産物の輸入規制を実施してきました。その結果、日本の水産業界は水産物輸出においてさまざまな損失を被ったため、漁業者や水産加工業者等に対する国の支援事業が実施され、東京電力に対する損害賠償請求の動きも生じています。
 そうした状況を踏まえて、本シンポジウムの講師の一人である濱田武士氏は(一財)東京水産振興会のウェブサイト「水産振興ONLINE」への寄稿「ALPS処理水の海洋放出が水産業に及ぼした経済的インパクト −貿易統計を用いて検討する−」(水産振興誌第647号※下記参照)において、その経済的な影響を分析されました。
 水産物輸出はわが国の水産行政において重要な施策に位置づけられており、今後の輸出促進のために、この間のALPS処理水の海洋放出と水産物輸出を巡る現状や課題についてふりかえりを行うことは重要だと考えます。
 そこで本シンポジウムでは、上記の濱田武士氏による分析成果を踏まえ、損失を被った漁業者や水産加工業者等に対して国が実施している支援事業および東京電力に対する損害賠償請求の動向に焦点を絞り、それぞれ担当実績のある講師より現在の状況や課題などについて話題提供いただき、ALPS処理水の海洋放出がわが国の水産業界に与えた影響と、国の支援のあり方に関して広く水産業界に資する情報提供と意見交換を実施することにいたします。

講演者紹介

濱田 武士 氏
 1969 年3 月生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院修了、水産経営技術研究所研究員、東京海洋大学准教授を経て、2016 年4 月より北海学園大学経済学部教授(現在:北海学園大学開発研究所長兼任)
 単著『伝統的和船の経済?地域漁業を支えた「技」と「商」の歴史的考察』(農林統計出版、漁業経済学会奨励賞)、単著『漁業と震災』(みすず書房、漁業経済学会賞、日本協同組合学会賞)、単著『日本漁業の真実(ちくま新書)』(筑摩書房)、共著『福島に農林漁業をとり戻す』(みすず書房、日本協同組合学会賞学術賞(共同研究)、単著『魚と日本人 食と職の経済学(岩波新書)』(岩波書店、水産ジャーナリストの会大賞、第8回辻静雄食文化賞)、共著『漁業と国境』(みすず書房)。

坂井 眞樹 氏
 東京都国分寺市出身。東京大学理学部及び経済学部卒業。サイモンフレーザー大学経済学修士号取得。昭和56年農林水産省入省。在米日本大使館参事官、国際調整課長、消費安全政策課長、水産庁企画課長、漁政課長、官房政策課長、経営局担当審議官、国際部長、統計部長を経て、在ミクロネシア連邦日本国大使兼在マーシャル諸島共和国日本国大使を最後に退官、損保ジャパン日本興亜株式会社顧問を経て令和元年6月に(公財)水産物安定供給推進機構専務理事。令和6年6月より現職。

加藤 聡一郎 氏
 一橋大学法学部卒業・立教大学大学院修了。2015年弁護士登録。ALPS処理水の海洋放出に伴う禁輸措置の被害を受けた水産加工業者等から相談を受け、東京電力への直接請求やADRセンターへの申立を行うなど、損害賠償請求の支援を行っている。全国漁業協同組合学校講師。季刊刑事弁護新人賞(特別賞)、日本弁護士連合会シルバージャフバ賞受賞。

水産振興誌647号

講演会
「ノルウェーサーモン養殖の経済学」

講演会

下記の通り、講演会を開催いたしました。
主催 (一財)東京水産振興会
共催 (一社)漁業情報サービスセンター、(一財)漁港漁場漁村総合研究所、(一社)全国海水養魚協会、全国漁業協同組合連合会、(一社)全国水産技術協会、(一社)大日本水産会、(公社)日本水産資源保護協会、(一社)マリノフォーラム21
日時 2025年7月14日 13時30分〜15時15分
会場 豊海センタービル2階会議室(東京都中央区豊海町5-1)及び、オンライン(zoom)
開催案内 開催案内
講演資料 講演資料
チャットでの質問への回答 チャットでの質問への回答

プログラム

   司会   長谷成人(東京水産振興会理事/海洋水産技術協議会議長)
 1.開会挨拶 渥美雅也(東京水産振興会会長)
 2.講演
  ノルウェーサーモン養殖の経済学
        阿部景太(武蔵大学経済学部 教授)
 3.意見交換

開催趣旨

 近年、わが国でもサーモン養殖が注目を集め、全国各地でブランドサーモン養殖などの新たな取り組みが始まっています。サーモン養殖先進国であるノルウェーでは、フィヨルドという特殊な地理的環境を活かした海面養殖から始まり、約半世紀にわたる発展の中で数々の技術革新、産業政策、環境課題との調和を経験してきました。その豊富な経験からわが国の水産業界が学べる点は多いと思われます。
 (一財)東京水産振興会では専門家である阿部景太教授に「ノルウェーサーモン養殖の経済学」と題した論文をご寄稿いただき、この度、ウェブサイト「水産振興ONLINE」において、水産振興ウェブ版第649号として公開いたしました。
 本講演会は、著者の阿部景太教授より経済学的な視点に基づくノルウェーサーモン養殖業分析の成果などについてご講演いただき、環境と経済のバランスをとった持続可能な発展のための戦略や政策などに関して、わが国の水産業界に資する情報提供を行うことを目的といたします。

講演者紹介

阿部 景太 氏
 1986年9月生まれ。兵庫県出身。関西学院大学総合政策学部卒業、北海道大学大学院環境科学院修士課程修了、ブリティッシュコロンビア大学経済学研究科修了(M.A.)、ワシントン大学経済学研究科修了(Ph.D.)。ノルウェー経済高等学院(Norwegian School of Economics)経済学研究科研究員、同応用研究所研究員を経て2022年9月より武蔵大学経済学部准教授、2025年4月から現職。岩手大学農学部客員准教授を兼任。
 専門は資源経済学、環境経済学、応用計量経済学。経済学の理論・実証手法を応用して、日本・アメリカ・ノルウェーなどの漁業を対象に漁業者行動や、資源管理政策の効果や影響を経済的・社会的側面から研究している。
 北米水産経済学会(NAAFE)最優秀学生論文賞(2017)、日本水産学会論文賞(2022)、環境経済・政策学会奨励賞(2023)。

水産振興誌649号 水産振興誌644号

海洋水産技術協議会主催

進む温暖化と水産業ワークショップ
「ブルーカーボン、魚種変動、洋上風力」

進む温暖化と水産業ワークショップ

下記の通り、進む温暖化と水産業ワークショップを開催しました。
当日の内容を水産振興誌第650号として、水産振興ONLINEに掲載しております。
主催 海洋水産技術協議会
共催 (一財)東京水産振興会、(一社)漁業情報サービスセンター、(一社)全国水産技術協会、(公財)海外漁業協力財団、(一社)海洋水産システム協会、(公財)海洋生物環境研究所、(一財)漁港漁場漁村総合研究所、(一社)水産土木建設技術センター、(公社)日本水産資源保護協会、(一社)マリノフォーラム21
日時 2025年4月7日 14時00分から16時30分
会場 豊海センタービル2階会議室(東京都中央区豊海町5-1)及び、オンライン(zoom)
開催案内 開催案内

プログラム

 1.開会挨拶/趣旨説明 長谷成人(海洋水産技術協議会議長/東京水産振興会理事)
 2.講演  司会・黒萩真悟(漁業情報サービスセンター会長)
  (1)農林水産省ブルーカーボンプロジェクトの最終成果報告:
     藻場のCO2貯留量算定手法と藻場の維持・拡大技術の効果について
      堀正和((国研)水産研究・教育機構水産資源研究所沿岸生態系グループ長)
  (2)水産物の生産と消費をめぐる動き
      和田時夫(海洋水産技術協議会/全国水産技術協会専務理事)
  (3)洋上風力発電をめぐる動き
      長谷成人
 3.意見交換
 4.閉会挨拶 川口恭一(海洋水産技術協議会顧問/全国水産技術協会会長)

開催趣旨

 気候変動の進行に対して、国連のグテーレス事務総長は地球沸騰化という言葉まで使って危機感を表明しています。それにもかかわらず、各地で戦火はやまず、米国のパリ協定再脱退など、気候変動の抑制・緩和とは逆コースの動きも顕著です。その間にも地球の温暖化は進み、日本の周辺水域は世界の中でも特に水温上昇が激しく、各地で多くの漁業・養殖業の関係者が窮地に立っています。そのような中で、漁業、漁村に新しい価値を生むブルーカーボンをいかに活かすのか、水温上昇の中で生産や消費はどのように変化していくのか、各地で進む洋上風力発電の案件形成に漁業者はどう対処すべきなのか、話題提供をするとともに、温暖化の時代に漁業、漁村がどう立ち向かうべきなのか話し合いたいと思います。

講演者紹介

堀 正和 氏
 国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所社会・生態系システム部沿岸生態系暖流域グループ長、東京海洋大学大学院海洋生命資源科学専攻・応用生命科学専攻客員教授。
 2003年北海道大学大学院水産科学研究科博士後期課程修了。博士(水産科学)。専門は海洋生態学。沿岸浅海域の藻場を中心にブルーカーボンや生物多様性、気候変動対策等に関する研究を展開。水産分野における関連の政策対応、社会実装等の応用分野まで幅広く対応。ジャパンブルーエコノミー技術研究組合顧問としてカーボンの社会実装にも参画。近著に、「ブルーカーボン:浅海における CO2隔離・貯留とその活用」(2017、桑江氏と共著)など。

和田 時夫 氏
 1977年長崎大学水産学部卒業。(国研) 水産研究・教育機構理事、(一社) 漁業情報サービスセンター会長を経て、2023年7月から現職。専門は、マイワシなどの小型浮魚類の資源動態と資源管理。近年は、ICTや再生可能エネルギーを利用した水産業の振興や温暖化対策、ICTやロボット技術の水産資源・海洋調査への応用などにも関心。農学博士(東京大学)。

長谷 成人 氏
 1957年生まれ。1981年北大水産卒後水産庁入庁。資源管理推進室長、漁業保険管理官、沿岸沖合課長、漁業調整課長、資源管理部審議官、増殖推進部長、次長等を経て2017年長官。2019年退職。この間ロシア、中国、韓国等との漁業交渉で政府代表。INPFC、NPAFC(カナダ)、宮崎県庁等出向。 現在 (一財)東京水産振興会理事、海洋水産技術協議会代表・議長。

水産振興ONLINE:進む温暖化と水産業コラム

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